141102-01

約2時間の船旅を終えて着いたここは隠岐諸島、島前の知夫里島だ。
今日明日と隠岐の島ツーリングである。
なんと今回同行している偽748Rさんは隠岐の島出身。
当然見どころを熟知している。
この連休のツーリングにおけるルート設定なんかもやってくれたのだ。
ありがてぇありがてぇ。

再び本土に向けて出港するフェリーに背を向けて港から伸びるスロープを登る。
ぐぎぎぎぎ。
昨日山道を走りまくったところに8%の斜度は結構しんどいなあ。
今日は天気予報では午後から雨だったのだが、正午前の現在曇ったままである。
どうもこの強い風が雨雲を東に運んでくれたようだ。
今日はあまり降られずに済むかな。

まずは宿を目指して進む。
途中『薄毛地区⇔赤ハゲ山』と書かれた案内看板を発見する。
薄毛にハゲって・・・中年男性に優しくない島だな!

えっちらおっちら登った高台の上にあるホテルは見晴らしバツグン。
窓からは海と火サスのラストシーンに出てきそうな断崖絶壁が見渡せる。
良い部屋だなあ。

141102-02

まずは食堂で昼食を取ってから出かけることにした。
私が注文したのはサザエカレー。
ルーは普通だがコリコリ歯ごたえのサザエが沢山入っていた。
これはお値打ち。
腹ごしらえが済んだら出発である。
いざ、知夫里島!

141102-03

最初に訪れたのは『河井の湧水』だ。
かわいらしいタヌキのお地蔵さんがじゃぶじゃぶ注いでいるのが湧水である。
どんな干ばつの日にも枯れたことが無いのだそうな。
ここにはタヌキ以外にもお地蔵さんが沢山あった。
不思議な事に半分ぐらいは観音様を象ったものである。
お不動さんや閻魔さまのようなものもある。
うーん、何か島の信仰と関係があるのだろうか。
あるいはご利益のありそうなものを片っ端から集めたのかもしれない。
こういうのも調べてみると面白いんだろうなあ。
今日の所は次へ行くことにする。

自転車を漕ぎ漕ぎ古海を経由して赤ハゲ山を目指す。
ターゲットは頂上の展望所だ。
やはり疲労の溜まった脚に登りは辛い。
ふひぃ。
ふひぃ。
風が強くなってきた。

141102-04

ある程度まで進むと牛の姿がチラホラしはじめた。
ハローうしさん!
今日も美味しそうだね!
フレンドリーに挨拶してみたのだがプイッと顔を背けられた後に逃げられた。
人見知りが強い性格のようだ。
そして道路は牛糞だらけである。
最初のうちは避けて進んでいたが、そのうち避けるのも面倒なぐらい路面は牛のうんこだらけになった。
というか避けきれない。
むむむ、避けきれず幾つか踏んでいるうちに新鮮かつジューシーな感じのヤツ以外は踏んでも気にならないようになってきたぞ。
慣れというのは恐ろしい。
人は強いストレスに日常的にさらされ続けるといつしか抵抗する事を忘れるという。
これが諦観の境地というやつか。

こんにちは、隠岐の牛糞さん。
グニッ
今日は風が強いですね。
私は兵庫の明石から来ましタ。
グジュッ
轢いてしまってすみません。
身体は大丈夫ですか?
モニュッ

赤ハゲ山は300m余りの小さな山だ。
山というより丘という感じである。
しかし生易しい坂ではない!
全体では5%程度なのだが、ウグイガ崎からの1.5kmは平均斜度10%を超える。
そして頂上付近には最大17%近い区間が存在するのだ。
身体を前に倒して腹の底から力を出さねば踏めない。
全身の毛穴が開き汗が吹き出すのが分かる。
どっせぇぇーいッ!!

さらに激しさを増し、ただ事ではない強さになってきた風。
自転車ごと横に持って行かれそうになるがガードレールなどない。
すぐ横には断崖絶壁がコンニチワである。
そして襲い来る牛糞!
あんど牛糞ッ!!

と、登頂ぉぉ・・・。
たった数キロだったが間違いなく昨日の大山100kmよりキツかった。
緩い斜度なら温存しつつ進めるが激坂はそれを許してくれない。
消耗せざるを得ない。
ああ、残ってた体力全部絞りだしちゃった。

141102-05

疲れはしたが眺めは最高だ。
5月頃に来ると野ダイコンの花が綺麗なのだそうな。
うーん、ゴールデンウィークぐらいにまた来たいな。
それにしても風が強い。
猛烈な勢いになってきている。
スマホで天気予報を確認すると強風波浪注意報が出ていた。
風速は6mとの表示だが・・・絶対これ6mどころじゃないぞ。
台風並じゃないか。

次は『赤壁』と呼ばれる断崖を目指す。
牛のうんこだらけの道をダウンヒルだ。
斜度がキツいので結構な速度が出る。
当然迫り来るうんこ達を避けることなど不可能である。
この島では何人たりとも牛糞を拒むことは許されない。

先行して坂を下り切ったが後ろから来るはずのねれさんと偽さんが来ない。
しばらくしてスマホに連絡が入った。
どうやら道を間違えたらしい。
また方向音痴が出たか!
合流するにはこの坂をまた登らないといけないらしい。
さっきの赤ハゲ山で脚使い切っちゃったのに・・・。

141102-06

ふおー、絶景!!
これが知夫の赤壁である。
岸壁の赤色は鉄が多く含まれているせいらしい。
辺りの景色を見ながら写真を撮っていると、この断崖の上から何か白い煙が吹き上がっているのに気付いた。
いや、煙ではなく水しぶきだ。
んん?間欠泉かな?
でも案内看板にはそんなものがあるなんて書いてないぞ。
んー?
目を凝らしてよーく観察してみてその正体に気づいた。
壁から流れ落ちる小川の水があまりの強風に真上に吹き上げられていたのである。
おいおい、こんなになるなんてただ事じゃないぞ。
昨日は雨、今日は風か。

赤壁を後にし、ホテルの辺りまで帰ってきたところで風に混じって雨まで降り始めた。
さらに偽さんの後輪がスローパンク。
島の東にある灯台まで行くプランもあったのだが断念する事にした。
私も赤ハゲ山で消耗しきっていたし、もう登れない。
正直休めてありがたかった。

141102-07

ホテルの晩御飯は隠岐の海の幸!
美味美味~。
ああ、今日の疲れと強風で冷えた身体が癒やされるようだ。
特にイサキの煮物が美味しゅうございました。
また食べたいなあ。

赤ハゲ山後半が思った以上に強烈だった。
距離が短いのがせめてもの救いである。
家に帰ってから自転車の掃除をしていると、牛糞の欠片が沢山こびりついていた。
はるばる隠岐の島から明石まで旅してきたうんこだと思うと感慨深い。


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自転車を始めてからすっかりポタリング中毒になり、最近はブルベにまで手を出すように・・・。Kitaguchi

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