みっしり。

プノンペンの交通事情は最悪である。
初めて来た日本人は、まず道路を横断できずに立ち往生する。
ひっきりなしに車かバイクが来る上に歩行者が居ても問答無用で突っ込んでくる。
歩行者様が一番偉いという公道上の原則など、ここにはない。
でっかいエンジンを積んでる方が偉いのだ。
当然、自転車はピラミッドの最下層に位置する。
おまけに普通に歩いているより小回り効かないし・・・おおお、移動し辛いぞー。

さらに、これだけの車社会に移行したというのに街の中に駐車場が殆ど無い。
大型のショッピングセンターかホテルに併設されたもの以外は無いと思って良い。
だからこんな感じになる。

みっしり。

こんなの、奥の車はどうやって外に出るんだよ!って思うだろう。
私も最初に見た時にそう思った。
実は、店舗前の駐車スペース(普通の店舗であれば2,3台が限界)には大抵警備員の人が常駐している。
奥の車が表に出る時は、彼らが手前の車を手で押して除けるのだ。
今日はアホみたいにでかいレクサスを二人で押しているのを見た。
ホンマお疲れさんです・・・。

プノンペンの道路は決して広く無いが、レクサスを代表とする大きな車が多い。
たまーにハマーなんかも走っている。
邪魔な事この上ない。
先にも言ったが、この街ではでっかいエンジンを積んでいるほど『偉い』かつ『かっこいい』のだ。
トヨタ・レクサスなどは最高級車という認識だ。
荒地が多く、重要な幹線道路の舗装も完璧とは言えない国なので、四駆でパワーのある自動車が重宝されるのは理解できる。
しかし、それらの車に乗っているのはアスファルトの道路しか走らないお金持ちだけで、田舎の荒野に住んでいる人は10年落ちのポンコツ軽自動車に乗っている。
お金のない貧乏人はそもそも自動車を持つことも許されず、自らの二本の足で進むしか無いのだ。

カンボジアで、ホテルやスーパーマーケットから外に出ると、必ずといって良いほど単車に跨った兄ちゃんに声を掛けられるだろう。
彼らはバイクタクシーの運ちゃんで、「乗ってかへんか~?」と言っているのである。
大体、4,5ドルもあればプノンペンの中はどこへでも移動できる。
こちらが金満日本人と見るとたまに吹っ掛けて来る運転手もいるが、これには秘策がある。
値段を聞く際にこちらから現地語で「トライ・ポンマーン?(お値段おいくらでっか?)」と聞いておけば勝手に「クメール語だと・・・こいつデキる」と勘違いしてくれるので防ぐことが出来るのだ。
この場合は、当然運転手は価格もクメール語で答えるので数字だけでも現地語で聞き取れるようにしておこう。
これさえ出来れば、あとは「チョムリアップ・スォー(こんにちわ)」と「オー・クン(ありがとう)」さえ覚えていれば、ここで生活出来る。
そんな良い加減で良いんかと思うかも知れないが、出来てしまうのである。
足りない部分は気合と根性でカバーだ。

バイクタクシーの中には、上の写真のように後ろに客車になったトレーラーを牽いているものを良く見かけるだろう。
トゥク・トゥクと呼ばれるカンボジアで最もポピュラーなタクシーだ。
普通のバイクタクシーより料金はかかるが、大きな荷物を載せられるし、大人数でも平気である。

こっちはシクロと呼ばれる人力車の自転車バージョン。
自転車なので、トゥクトゥクやバイタクに比べてずっと遅いのだが、料金はあまり変わらない。
そうでないと彼ら、生活出来ないのだ。
しかし、利用者の都合と残酷な市場原理はそんな事情を汲んでくれたりはしない。
独特の風情を楽しむために、観光客が利用する程度だ。
シクロはただ今絶滅寸前である。

街中でジャイアントとマングースのMTBを発見。
ここでは自転車に乗っている人自体を見かけないが、MTBなどのスポーツ車にたまに出会うことはある。
でも、大半はルック車なので、ちゃんとしたメーカー製のものは珍しい。
そういえば、ドロップハンドルの自転車はまったく見掛けない。
道が混み混みで、20km/hを出すことすら困難なのでロードバイクは意味が無いのだろう。


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自転車を始めてからすっかりポタリング中毒になり、最近はブルベにまで手を出すように・・・。Kitaguchi

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